賢者のワイン

2023/12/23 13:40



シャトー・マルゴーのサードワインです。

長くて細い美しいコルクに、年号とシャトーの名称と外観図が焼印されています。

 

濃い目のガーネット色に、土埃、木の枝、インクなどの香りがして、これぞポイヤックです。

 

1口含みますと、バランスよく引き締まっています。相手に容易には迎合しないイメージです。

 

タンニンはガンガンと出しゃばることはしませんが、十分に分厚く、しっかりと(無言のうちに)主張しています。

 

甘さに通ずるニュアンスは、ありません。

 

まだ高校生で、昔なら詰襟の学生服に学帽をかぶっています。

牛乳瓶のレンズが渦を巻いている黒縁メガネをかけています。

 

その手には、倉田百三か三木清なんかの文庫本をもっているんでしょうか。

 

いまにも、青臭い書生論をぶち始めそうな雰囲気です。

 

いま開栓したばかりなので、もう少し時間が経てば、この青年も変わってくるでしょう。

 

・・・ さて、1時間15分経過しました。

 

丸さと柔らかさが出てきました。

少し甘みのニュアンスも垣間見え始めてきました。

 

・・・ 翌日です。

 

まことにエレガントです。

上品でバランスの良いまとまりです。

 

秘めたるパワーがフィネスを伴っているところが、若い頃の九郎判官の雰囲気とでもいいましょうか。

 

強さを秘めながら当然粗野ではなく、いかにも都びとの風格を学生服に漂わせています。

 

Mail Magazine

新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。