2024/01/05 10:40
エルミタージュです。
その中でも、とりわけ珍重されるポール・ジャブレのラ・シャペルです。
珍重品を追いかけないという賢者のワインですが、これは店番が若かったころからの胎蔵品で、お正月の機をとらえまして、エイヤっと開けたものであります。
1985年のVTですから、39年目に突入しています。
色が、赤茶けたレンガ色になっていません。退色がまったくみられません。
開栓直後は、若干酸味が勝っていたのですが、時間の経過とともに本来の持ち味を取り戻してきました。
ローヌの中でも繊細さが身上のエルミタージュの良さが存分に発揮されています。
特筆すべきは、1日置いた翌々日です。
ほわ~っとした、ふんわりと柔らかいテクスチャが出てきました。
これです、これこそエルミタージュの真骨頂ではないでしょうか。
やさしい風合いの中に、甘みのニュアンスも現れて、透明度を伴いながら深い滋味が溢れています。
正直なところ、これを入手したころの自分では、この良さはわからなかったと思いました。
40年を前にした真実との邂逅に、感謝したい気持ちになりました。
待っていてくれて、有難うございました。