2024/01/30 17:18
モエです。
モエ・エ・シャンドン、言わずと知れたシャンパン界のぶっちぎりトップ銘柄です。
ワインやシャンパンの愛好家の中で、好みが分かれます。
とくに、通を自称する人たちには、あまり受けません。
「なんだ、モエか」っていうのが、典型的な反応になります。
「大手銘柄のことを褒めると沽券にかかわる」と信じている層が一定数おられます。
清酒では菊正宗が美味しいと、店番はプロとして自信をもって断言しているのですが、清酒愛好家は押しなべて地酒系でないと愛好の対象とはしない傾向があります。
シャンパンも、レコルタン・マニピュランと分類されるような、小規模、家族経営、手作業系の銘柄ばかりを追っている一団もいるようです。
日本橋の三越本店のワイン売り場でも、ことさらに「レコルタン・マニピュラン」と表示して販売している商品があります。
そういうお客さんが探しに来るのでしょう。
さて、モエですが、よくできています。
ちょっとした祝祭感を演出するという目的の設定と、その目的達成に向けた味の設計が、実に周到です。
非常にバランスよく、痒いところに手が届くように造りこまれている印象があります。
あんまり毛嫌いせずに、改めて目隠しで飲んでみるのも面白いと思います。