賢者のワイン

2024/02/05 17:01


 

3つめのC物件は、A物件とB物件のちょうどまんなかあたりに出ました。

 

「出る」とは、いくつかある不動産物件の仲介サイトに掲載されることを意味します。

 

特定のエリアで店舗の出店を計画している場合には、以前は「その地域の地元の不動産屋さん」を巡回して探すのが常でした。

 

インターネットによる不動産物件紹介が一般化する以前は、こうした前近代的な方法しかありませんでした。

 

それによる功罪の「罪」のほうについては、既にA物件の回に詳しく申しました通りなのに対し、「功」のほうは殆どありません。

 

なので、いまや物件探しといえば、もっぱらネット情報を毎日何度もしらみつぶしに検索することです。

 

なぜ「毎日何度も」なのかと申しますと、これも既報ですが、好物件は「先着順」であることが多いからです。

 

ただし、この方法では、「公開前のマル秘物件」に遭遇することはありません。

 

公開情報に非公開物件が掲載されるわけないのは、当然じゃないかと思われるかもしれませんが、ここに好物件取得の奥義があります。

 

日本で、「街1番の超一等地」を確保できるのは、だいたい決まった会社です。

 

マクドナルド、セブンイレブン、スターバックス・・・といった顔ぶれです。

 

では、なぜこうした企業だけが最高の物件を獲得できて、業界2位以下にはそれができないのでしょうか?

 

・・・この話に入っていくと、それだけで紙幅を使ってしまいますので、本題に戻ります。

 

弊社のような中小零細企業では、マクドナルドのような作戦は到底使えませんから、公開情報を閲覧して探します。

 

探し当てたら、真っ先に貸主代理人に連絡すると同時に、現地へ飛んで行って現場を確認します。


内見の予約を待たずに、外からだけでも見ておくのです。

駅からの距離や周辺の賑わいなど、得られる現地情報はこの時点で収集します。

 

このC物件は、古い家屋の1階ですが、間口が広く視認性の高い好物件でした。

不動産業界のサイトに掲載されるのは、これが初めてという「初公開物件」でした。

 

貸主代理人は、店舗専門の新興企業で、急成長しているところでした。

すぐに内見を入れることができました。


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