2024/02/14 21:19
冬の味覚といえばおでんです。
お得意先におでんの銘店があります。
濃い目の色合いのおつゆが持ち味の江戸前というのでしょうか、東京の伝統的なおでんを伝えていて、その存在自体が食文化を担っているといっても過言ではありません。
さて、弊家も東京風のおでんです。
そんなの当然だと思っていました。
しかし、この固定観念をガツーンと打ち破ったのが、セブンイレブンのおでんでした。
あんな店頭でおでんを常時温めておくという発想もさることながら、関西風の白いというか薄い、ほとんど無色のおつゆに面食らいました。
おでんなのに麺食らうというのも変なのですが、東京の真ん中で、関西風のおでんを公然と、大々的に、恒常的に販売するという企画と実行の意味が理解できませんでした。
・・・人様のことはこれくらいにしまして、本題は、はんぺんです。
この純真無垢な白さ。
無防備な柔らかさ。
なんということでしょう!
人を疑うことを知らないお育ちの良さ。
異人との接触のなかった島国ならではの純粋培養とでも申しましょうか。
「おでん」の「はんぺん」ほど、何事にもほんわかしたこの国を象徴したものはないのでは? と得心したり心配したり。
もちろん、お供はワインではなくて清酒です。
しかも、おでんのあったかさに合わせて、上燗でいただきました。
ユーラシア東端の孤島にて、鎧を脱いで。